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アルペンスキー競技で有酸素運動必要?無酸素運動とどっちが大事か?を科学と経験両方で解説

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*現在執筆中です。投稿したらXで報告します。なお、スキー検定と一般の滑り方、競技は技術的な部分が違います。そういった違いも解説していきます。

上級者向け

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今回のスキー検定1発合格上達方法&アルペンスキー競技で1桁順位なるまでにやってきた練習方法はアルペンスキー競技において有酸素運動は本当に必要か?というテーマでお送りします。

従来のアルペンスキー練習方法記事で夏のトレーニングに関する情報をほとんど書いてこなかったので、skiblog.netではこちらも雪上と同じくらいの情報量を出していこうと思います。

今回のテーマは

「アルペンスキー競技で有酸素運動は本当に必要か?」

というテーマです。

目次 閉じる

アルペンスキー競技で有酸素運動は必要か?

この有酸素運動については日本のスキーコーチの間でも賛否分かれます。

科学の視点で見ていくと、結論

「どっちでもいい」

ということがわかってます。

ぶっちゃけ

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インターハイ予選の2本目までに昼にカツカレー食って、インスペクションして、ラップ取って帰って行った日本代表選手を知ってるので、あくまでもこの話は小さな要素の1つ

と考えてるので、参考値として見てください。^^;

また、記事後半でレースや半年間戦うためにどうトレーニングをすべきか、元日本代表のコーチがどのように指導していたかを、考え方が全く違う2名の指導者の仕方も書きたいと思います。

アルペンスキー競技における有酸素運動と無酸素運動問題

有酸素運動と無酸素運動の効果は正直なところタイムと直結する話にはなっていません。

ただ、理論上は有酸素がゼロではないことは事実なので、これらの数字を参考にトレーニングをアレンジしてみるのもアリでしょう。

「アルペンスキー競技で有酸素運動が重要派」の科学的なデータがこちら

⛷️ アルペンスキー競技のエネルギーシステム
種目別エネルギー利用パターンの科学的解説
有酸素系 – 酸素を使ってエネルギー生産
乳酸系 – 酸素なしで短時間の高強度
ATP-PC系 – 瞬間的な爆発力
スラローム (SL)
45%
40%
15%
滑走時間: 45-60秒
乳酸値: 9-11 mmol/L
心拍数: 90-100%最大
最大酸素摂取量: 64-85%
大回転 (GS)
48%
37%
15%
滑走時間: 70-90秒
乳酸値: 8-13 mmol/L
心拍数: 88-95%最大
最大酸素摂取量: 75%
スーパー大回転 (SG)
55%
30%
15%
滑走時間: 90-130秒
乳酸値: 6-10 mmol/L
心拍数: 85-95%最大
最大酸素摂取量: 80-90%
滑降 (DH)
60%
25%
15%
滑走時間: 120-150秒
乳酸値: 5-8 mmol/L
心拍数: 80-90%最大
最大酸素摂取量: 85-95%

🔬 科学的根拠に基づく解説

有酸素運動の重要性:

  • 大回転(GS)では有酸素系が43.9-48.5%を占め、最も重要なエネルギー源[1]
  • 競技中の酸素摂取量は最大値の75-95%に達し、心拍数は最大の88-102%[2]
  • 滑走時間が長い種目ほど有酸素系への依存度が高くなる[3]

種目別特徴:

  • 技術系(SL・GS):頻繁な方向転換により乳酸系と有酸素系が拮抗[1]
  • スピード系(SG・DH):長い滑走時間により有酸素系が優位[2]
  • すべての種目で高い心拍数を維持し、最大有酸素能力の重要性を示唆[3]

トレーニングへの示唆:

  • 有酸素能力の向上により、高強度での運動継続能力が改善[1]
  • 回復能力の向上により、練習やレースでのパフォーマンス維持が可能[2]
  • 乳酸除去能力の向上により、疲労の蓄積を抑制[3]

📚 参考文献

  1. Bottollier, V., et al. (2020). Energy demands in well-trained alpine ski racers during different duration of slalom and giant slalom runs. Journal of Strength and Conditioning Research, 34(8), 2156-2164. PubMed
  2. Polat, M. (2016). An examination of respiratory and metabolic demands of alpine skiing. Journal of Exercise Science & Fitness, 14(2), 76-81. ScienceDirect
  3. Stöggl, T., et al. (2018). Acute Effects of an Ergometer-Based Dryland Alpine Skiing Specific High Intensity Interval Training. Frontiers in Physiology, 9, 1485. Frontiers

対比研究:

  • Maffiuletti, N.A., et al. (2006). Is aerobic power really critical for success in alpine skiing? International Journal of Sports Medicine, 27(2), 166-167. Thieme Connect – 有酸素能力の重要性に疑問を呈する研究

世界中のアルペンスキー研究を簡単にグラフ化してみました。

ただ、これは有酸素運動有効派の意見です。

今度は「アルペンスキー競技において有酸素運動は有効ではない派」のデータも見て比較してみましょう。

「アルペンスキー競技は無酸素運動重視派」のデータがこちら

💪 アルペンスキー競技:無酸素運動重視派の主張

筋力・パワー・偏心性収縮が成功の鍵という研究エビデンス

筋力・パワー – 最重要因子
偏心性収縮 – スキー特有の動作
有酸素能力 – 限定的な重要性

🏆 アルペンスキー成功因子の重要度ランキング

1

筋力・パワー

90%

下肢等尺性・等速性筋力がパフォーマンスと強く相関[1]

2

偏心性収縮能力

85%

アルペンスキー唯一の特徴的動作パターン[2]

3

無酸素パワー

75%

総エネルギーの65%が無酸素由来[3]

4

有酸素能力

35%

スキーヤーレベル間での判別能力なし[4]

偏心性収縮の決定的重要性

🎿 スキー特有の筋活動

  • カーブターンで高い遠心力に対抗
  • 膝角度60-100度での長時間維持
  • 通常の運動では見られない動作パターン
  • EMG活動が最大レベルに到達
研究結果:偏心性筋収縮がアルペンスキーの決定的要素であり、他のスポーツでは観察されない遅い偏心性筋活動の優位性が確認された[2]

有酸素運動の限界

❌ パフォーマンス予測不可

  • 最大酸素摂取量でレベル判別不可
  • 持久系トレーニングが偏心性疲労を防げない
  • 有酸素・無酸素テストの予測力は限定的
  • 1980年代以降、重要性が否定される傾向
研究結果:プレシーズンの有酸素・無酸素テストはアルペンスキーパフォーマンス予測に限定的な用途しかない[5]

筋力・パワーの決定的重要性

💪 パフォーマンス直結

  • 下肢筋力がDH・GS成績と有意相関
  • 体重の2-4倍の力が必要
  • 等尺性・等速性筋力が適応指標
  • 無酸素パワーがレース成績と相関
研究結果:エリートスキーヤーは等尺性・等速性条件での膝伸展で強い筋力を示し、これは長時間のクラウチング姿勢への特異的適応である[1]

🎯 無酸素運動重視派のトレーニング提言

🏋️ 筋力トレーニング重視

  • 等尺性・等速性筋力強化
  • 偏心性筋収縮トレーニング
  • 最大筋力・パワー開発

⚡ 無酸素能力重視

  • 高強度インターバル
  • 無酸素パワー開発
  • 乳酸耐性向上

🎿 スキー特異性重視

  • 偏心性動作パターン
  • スキーエルゴメーター
  • バランス・協調性

🔬 科学的根拠に基づく反論

❌ 有酸素能力の限界:

  • 判別能力なし:最大酸素摂取量は異なるレベルのスキーヤー間を判別できない[4]
  • トレーニング効果の限界:同心円性持久力トレーニングは偏心性疲労を防げない[5]
  • 限定的な相関:特定条件(1998年、男性、スピード系のみ)でのみ高い相関を示した[6]

💪 筋力・パワーの決定的重要性:

  • 直接的相関:下肢筋力が滑降・大回転の成績と有意に相関[1]
  • スキー特異的適応:長時間のクラウチング姿勢への等尺性・等速性筋力適応[2]
  • 高負荷要求:体重の2-4倍の力が競技中に必要[3]

🎿 偏心性収縮の特異性:

  • 唯一無二の動作:アルペンスキーのみで観察される遅い偏心性筋活動の優位性[2]
  • 疲労パターンの特異性:レクリエーショナルスキーでも24時間以上続く偏心性疲労[7]
  • 技術的要求:カーブターンでの高遠心力への対抗に不可欠[2]

📚 参考文献

  1. Andersen, R.E., & Montgomery, D.L. (1988). Physiology of Alpine skiing. Sports Medicine, 6(4), 210-221. PubMed
  2. Berg, H.E., & Eiken, O. (1999). Muscle control in elite alpine skiing. Medicine & Science in Sports & Exercise, 31(7), 1065-1067. PubMed
  3. Veicsteinas, A., et al. (1984). Energy cost of and energy sources for alpine skiing in top athletes. Journal of Applied Physiology, 56(5), 1187-1190. PubMed
  4. White, A.T., & Johnson, S.C. (1991). Physiological comparison of international, national and regional alpine skiers. International Journal of Sports Medicine, 12(4), 374-378. PubMed
  5. Koller, A., & Schobersberger, W. (2019). Preseason aerobic and anaerobic tests for prediction of alpine skiing performance: a molecular perspective. BMJ Open Sport & Exercise Medicine, 5(1), e000510. PMC
  6. Maffiuletti, N.A., et al. (2006). Is aerobic power really critical for success in alpine skiing? International Journal of Sports Medicine, 27(2), 166-167. Thieme Connect
  7. Koller, A., et al. (2015). Decrease in eccentric quadriceps and hamstring strength in recreational alpine skiers after prolonged skiing. BMJ Open Sport & Exercise Medicine, 1(1), e000028. PubMed

「有酸素よりもパワーだろ」

という人も多いはず。

私もその1人ですが、有酸素運動ゼロにしてしまうとデメリットも出てきます。

実際、W杯を見ると

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基本、体が大きい選手が表彰台に上がる確率高いよね

ということがわかるかと思います。

ですが、湯浅直樹さんのように一時期16キロ走っていたという選手でもW杯の表彰台に上がったりするので、絶対とは言えませんが、

  1. 筋肉による重さ
  2. チューナップ
  3. 技術の幅(縦・横どっちのポールセットにも対応できる能力)

が大きく成績に影響するかなというのが個人的な感想です。

重力スポーツですから、重さは大きく関係するのは事実でしょう。

アルペンスキーでパワーはすごく重要。しかし、有酸素運動が苦手な選手はこういった成績になる。

さて、ここからは経験の方で書いていきたいと思います。

実際、私が一桁順位を記録していた頃の体重は64キロ、体脂肪率は14%で今よりも高いです。(現在は68キロ、体脂肪10%前後)

ウエイトトレーニングのMAX値も私は女子選手並みですが、佐々木明選手とのGSの差が2秒くらい(1998年1月旭川のインターハイ予選)だったので、パワー不足で体重の割には頑張ってた方ではないかと思います。

多くの人は「筋肉量」でモノを考えがちですが、

  1. 筋肉量
  2. 筋力

は違います。

筋肉量が少ないアルペンスキー選手でも、車で言う「トルク」と「馬力」部分が強ければ、持ってる筋肉や能力を最大限引き出すことができ、成績が変わってくるわけです。(トルクは「ねじり力」や「力強さ」を表し、馬力は「速さ」や「持続力」を表す)

今ある身体能力で、自分よりもフィジカル数値が良い選手に勝つにはどうすればいいか?

それは次のトレーニングがものすごく重要になります。

筋肉や体を正しく速く動かす練習を夏場から意識して反復練習する。

夏の陸上トレーニングで筋肉量があっても動きが遅い選手がいっぱいいます。

かといって軽そうな選手でも遅い選手がいます。

その見分ける方法がこの練習でした。

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